ポリエチレンオキシド(PEO)に3%の過塩素酸銀(AgClO4)を混ぜた高分子電解質膜を銀と白金で挟んだ(Ag/Ag-PEO/Pt)構造において、電極間に電圧を印加すると可逆的な抵抗変化を示す。観測された抵抗変化は固体電気化学反応に起因したAg-PEO中の銀フィラメントの形成・溶解に由来する。この抵抗変化の振る舞いは周囲の圧力や湿度に依存する。サイクリックボルタンメトリの測定から、Ag/PEO界面で銀の可逆的な酸化還元反応が起こること、また、その反応は吸湿により大きくなることがわかった。さらに、インピーダンス測定から、生成された銀イオンによりAg/PEI界面に電気二重層が形成され、そのキャパシタンス容量が支配的になることを見いだした。この結果は、高分子電解質も可変容量素子の材料として使用できることを示唆する。得られた成果はJ. Mater. Chem. Cに掲載された。
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