電磁波はこの世で最も速く伝搬するものであり、その特性は情報通信に欠かせないものであるが、電磁波を特定の場所に留めておくことは簡単ではない。電磁誘起透明化現象という物理効果を用いることで、媒質中に電磁波を保存する方法が研究されてきたが、本研究では、メタマテリアルと呼ばれる人工的な媒質を用いて同現象を実現することに初めて成功した。通常の媒質と異なり、メタマテリアルは動作する波長を人工構造の設計によって自在にコントロールすることができるために、電磁波の保存と再生をマイクロ波領域から光領域までの広い領域で実現することが可能になると期待される。
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