研究課題
基盤研究(C)
レーザー材料と,熱伝導性の極めて大きいダイヤモンドを一体化した複合構造レーザーの高性能化に成功した.接合界面にレーザー光が反射しないコーティング層を挿入した構造を常温接合法を用いて実現した.レーザー材料で発生した熱を効率よくダイヤモンドに逃がすことにより,レーザー材料単独の場合に比べて1.5倍のレーザー出力が得られた.また,接合界面にコーティング層がなく光損失が生じてしまう従来構造に比べ,効率で1.3倍,出力で1.2倍性能が向上した.
光工学、光量子科学
高出力レーザーは基礎研究のみならず,産業や医療等幅広い分野でますます必要となっている.本研究で得られた成果は,小型で実用性が高いながらも大きな出力が得られるレーザーを今後実現するうえで意義が大きい.また,レーザー分野に限らず,異種材料の複合化によって新たな機能を発現する材料・デバイスの研究が精力的に行われている.本研究では,材料同士を原子レベルで接合し,かつ,光学特性を制御するためのコーティング層を挿入したデバイスが作製可能であることを初めて実証できた.