ナノ機械式スイッチは機械的に電流のスイッチングを行う素子で,従来の素子と比べて待機中の消費電力が少なく,また耐熱熱が高いため,省ネルギーに貢献できる期待されている.特に,可動電極がグラフェンであるスイッチは電気伝導性と耐久性に優れているため,注目されている.しかし,可動電極が固定電極と凝着する問題がある.その原因の一つがカシミール効果による引力である.そこで,本研究ではまず,カシミール力によって生じるグラフェンの変形を調べ,印加電圧の増大することで生じる不安定性について考察した.また,光イオン注入を利用したカシミール力の制御方法を提案し,光照射によるグラフェン電極の運動を明らかにした.
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