研究課題/領域番号 |
17K05115
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
星川 晃範 茨城大学, フロンティア応用原子科学研究センター, 産学官連携准教授 (60391257)
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研究分担者 |
松川 健 茨城大学, フロンティア応用原子科学研究センター, 産学官連携助教 (60580876)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 高周波の電場印加測定 / 中性子回折実験 |
研究実績の概要 |
本研究では氷およびクラスレートハイドレート等の水素結合状態が、高周波を印加することで水素結合を切りやすくできるのではないかと考え、中性子を用いて水分子およびクラスレートハイドレートの水素原子を高周波外場下において観測し、その水素結合状態を明らかにすることを目的としている。 高周波発生装置に関しては平成29年度と平成30年度にわたり発生器と整合器まで完成することができた。しかしながら、通称CCRと呼ばれる4ヘリウムの循環型の冷凍機へ高周波の導入するにあたり、ソリッドタイプの同軸ケーブルを用いているがこのケーブルの発熱や、試料への高周波印加効率が低いことが分かり、高周波に関して知見のある業者と相談をして、開発を進めることを検討した。しかしながらコロナウィルスによる影響により、現物を確認しながらの業者との検討が十分にできる状況ではなかった。以上のことから、当初の開発計画から大幅に遅れが生じてしまい、来年度の開発完了を目指すこととなった。 当初平板上のアンテナを想定していたが、まずは二重円筒のアンテナを製作し動作確認を行い試すことを予定している。二重円筒中の試料の水素に関する分布に関しては、全散乱と呼ばれる幅広い角度に対する絶対散乱強度を見積もることにより、いわゆる局所構造と呼ばれる原子間距離の相関を求める方法を解析方法として取り入れていくこととし、データ補正等の方法に関しても検討および改良を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナウィルスによる影響のため業務内容の変化が生じ、当初予定していなかった管理業務や講義準備の対応等が急遽追加されたことにより、研究代表者が多忙となり研究時間が十分に取れなかった。また、高周波の装置開発に当初の見込みより時間を要したことから、計画に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
高周波を専門とする業者とさらに技術的な点を議論し、冷凍機内の試料への高周波の印加方法としてはまずは二重円筒を想定し、改良開発を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルスによる影響のため、当初予定していなかった管理業務や講義準備の変更等が急遽追加されたため、研究代表者が多忙となり研究時間が十分に取れなかった。また、業者との対面での打ち合わせ等にも支障をきたし、高周波の装置開発に当初の見込みより時間を要したことから、計画に遅れが生じた。 高周波の専門の業者と審議を進め、ソリッドケーブルと高周波のアンテナ部分および試料導入方法に関して検討の上、開発を進める予定である。まずは二重円筒型のアンテナを製作し、試料に高周波を印加して結果を出す予定である。
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