現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」のところに記載した計画(1),(2),(3)はそれぞれ,(1)機械的外力,(2)光,(3)電磁場,という3つの外部刺激によるLCEなどの柔らかい物資の応答が,FGモデルで説明できるかどうかという研究である。(1),(2)の当初の計画は,上記のように論文発表まですべて終了している。(3)に関しても,LCEの外部電場応答については論文発表まですべて終了している。これらが,「おおむね順調」とした理由である。ただし,(3)の「柔らかい物質」はLCEに限定されてはいないので,他の物質についてもこのテーマで研究できる。そこで,柔らかい物質としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を対象に研究開始した。PVDFの特徴は電場方向に縮むことであり,LCEの場合と対照的である。これについても,まだ初期的な段階ではあるが,報告されている実験結果を再現する結果が得られており,今後,国際会議や論文発表に向けて研究を進める。これら(1),(2),(3)の他に,計画書に記載した(i)表面張力の膜の境界形状依存性,(ii)Disk状の分子膜の崩壊相転移,に関する研究結果も論文発表した。 (i)は(1),(3)の応力の計算でも使われている表面張力の基本的な性質を扱ったものである,また(ii)はFGモデルの出発点となっている膜モデルの基本的な性質を扱ったものである。
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