研究課題/領域番号 |
17K05150
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研究機関 | 沼津工業高等専門学校 |
研究代表者 |
芹澤 弘秀 沼津工業高等専門学校, 制御情報工学科, 教授 (70226687)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小林ポテンシャル / 厳密解 / 方形開口 / 電磁波回折 / 異種媒質 / エッジ特性 / 二重無限積分 / 有限要素法 |
研究実績の概要 |
令和2年度は新型コロナウィルス感染拡大に伴い、予定していた国際会議(アクセプト済み)が次年度に延期となり、国内研究会も中止またはリモート開催となってしまったため、研究成果報告が十分に実施できなかった。5月から開始された学内の授業が遠隔形式となったためその準備に追われ(これまで授業のほとんどが板書形式であったため、遠隔用のスライド作成に膨大な時間を費やしてしまった)、当初予定していた研究活動がほとんど実施できなかった。ただ、完全導体スクリーン内の方形開口による平面電磁波回折の研究については、端点情報と解の収束性に関するデータ収集がわずかではあるが実施でき、新たな知見が得られた。方形開口の結合問題(媒質を真空と仮定)については4個のベッセル関数と2個の三角関数を被積分関数に含む二重無限積分の計算コードの開発に進展が見られた(研究成果については令和3年5月の研究会で発表予定)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
「研究実績の概要」にも記載したように、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、当初予定していた研究活動がほとんど実施できなかった。特に、5月から開始された学内の授業が遠隔形式となったためその準備に追われ、遠隔用のスライド作成に膨大な時間を費やしてしまったことが研究全体が遅れた理由となっている。
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今後の研究の推進方策 |
板厚を考慮した方形開口(ただし媒質を真空と仮定)の研究については、端点情報(エッジ特性)と解の収束性の関係を様々な板厚に対して調査し、異なった開口寸法でその傾向に違いがみられるのかを明らかにする。誘電体と磁性体を考慮した薄い開口(板厚を無視)とフランジ付き方形導波管の問題に関しては、電力流の再確認と解の収束性の再調査を行い、Meixnerの理論の解釈についての再検討を行う。特に導波管の問題では、異種媒質において電力流の不連続が生じている原因を特定し、計算コードを修正する。汎用数値解法の一つである有限要素法の精度評価についてはメッシュの細分化と解析空間の寸法の影響についてさらに詳しく調査し、特に偏波との関係について明らかにする。開口の結合問題については二重無限積分の計算アルゴリズム開発をさらに進め、行列要素の計算コードを完成させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
「研究実績の概要」にも記載したように、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、研究活動が十分に実施できず、予定通りに研究費を執行することが困難となった。特に、国際会議(アクセプト済み)の1年延期措置もあったため、研究費の延長申請を行った。既に延長申請は認められているため、令和3年度は当初の計画通りに予算執行を行う予定である。
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