研究課題/領域番号 |
17K05154
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
島倉 裕樹 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (90399791)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 頂点作用素代数 / 正則頂点作用素代数 / リー代数 / 格子 / 二次形式 / 自己同型群 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、逆軌道体構成法を用いて、中心電荷24の正則頂点作用素代数の一意性、すなわち、共形重さ1のリー代数構造による特徴付け、を証明することである。目的の達成後には一意性の応用として自己同型群の研究を行う。
昨年度に投稿した論文「Inertia groups and uniqueness of holomorphic vertex operator algebras」が微修正の上で国際数学専門誌 Transform. Groups に受理された。この研究成果を国際研究集会で発表した。この論文と今までの成果を合わせる事で、本研究目的は概ね達成された。残された場合は長年の未解決問題であるムーンシャイン頂点作用素代数の一意性である。この解決は今後の課題である。
さらに、今年度は昨年度に引き続き、一意性の応用として、中心電荷24の正則頂点作用素代数の自己同型群の研究を行った。統一的な自己同型群の記述に向けた準備として、リーチ格子のいくつかの部分格子に付随する軌道体頂点作用素代数の自己同型群の研究を行った。特に、例外型自己同型の構成を行い、既約加群上への共役の作用を具体的に記述した。その応用として、有限群上の直交形式を用いた記述に成功している。これら成果に関する論文を執筆中である。また、昨年度に投稿中であった論文「Automorphism groups of the holomorphic vertex operator algebras associated with Niemeier lattices and the -1-isometries」は微修正の上で国際数学専門誌 J. Math. Soc. Japan. に受理された。 また、この研究成果を国内研究集会で発表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究の目的は概ね達成された。さらに、中心電荷24の正則頂点作用素代数の自己同型群の研究を行い、いくつかの成果が得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
学会等の中止によっていくつかの研究発表が行えなかった。来年度に、これら研究成果を別の学会等で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症によって参加予定であった研究会・学会が中止となった。来年度に開催される研究会・学会への参加旅費とする。
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