研究課題/領域番号 |
17K05155
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宗政 昭弘 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50219862)
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研究分担者 |
生田 卓也 神戸学院大学, 法学部, 教授 (70271111)
野崎 寛 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (80632778)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 有限群 / アソシエーション・スキーム / 指標表 / 固有値 / グラフ / アダマール行列 |
研究実績の概要 |
可換アソシエーション・スキームの指標表に関する色々な問題について多角的に研究した。具体的には、アソシエーション・スキームのクラインパラメータと有限群の既約表現のテンソル分解係数の間の関係の明確化と、アソシエーション・スキームの固有値が有限群の指標値と同様に円分体に属するかという問題について、特殊な例について考察し一部肯定的・否定的な研究成果を得た。アソシエーション・スキームが非可換の場合についても、指標表の類似が自然に定義されることがあり、よく知られた例の中にそのようなものが多く存在していることもわかってきた。そこでこれらの指標表について具体的に計算し決定した。また、有限群の作用を仮定しないアソシエーション・スキームであっても、強い組合せ論的性質を仮定するとそこに自己同型の存在が導かれることがある。今年度は弱距離正則有向グラフで次数が小さい場合に注目し、そのような事実からグラフの被覆を構成する方法を導出した。また、研究分担者の生田氏と協力して、非対称的なアソシエーション・スキーム上に複素アダマール行列を構成する方法を研究し、具体例を考察することから一般的な構成法を予想した。それによって、標数4のガロア環から実例が構成できることを発見した。この例は研究代表者が25年以上前に研究した非可換アソシエーション・スキームの指標表とも関連することがわかり、当時の研究が役立った。また、この研究成果については学会で発表するとともに共著論文を作成し、すでに出版されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、アソシエーション・スキームの指標表について多角的に研究が進んでおり、 定期的に研究分担者と打ち合わせを行って進捗状況を確認している。
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今後の研究の推進方策 |
対称的なアソシエーション・スキームだけでなく、非対称的なものからも複素アダマール行列が得られることがあることがわかったので、今後はさらに研究対象を広げ、非可換アソシエーション・スキームについてもその基礎づけから理論構築を行うことにする。一部の非可換アソシエーション・スキームについても指標表がうまく定義できることがわかってきているので、その中で有用な例を探し、統一的な理論とその応用を研究課題とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者に他の用務が多く、当初計画した通り出張することができなかったため、旅費の支出が予定より少なかった。
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