研究課題/領域番号 |
17K05164
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大浦 学 金沢大学, 数物科学系, 教授 (50343380)
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研究分担者 |
小須田 雅 琉球大学, 理学部, 准教授 (40291554)
三枝崎 剛 琉球大学, 教育学部, 准教授 (60584068)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 不変式論 / 符号 / 重み多項式 / 置換群 |
研究実績の概要 |
かねてより完成していた藤井誠氏との論文を投稿し、掲載が受理された。これは dn+ 型の符号から得られる重み多項式が生成する環について述べたものである。その環が一般種数において有限生成な環であること、種数2の場合の環の最小の生成元を与えた。 三枝崎剛氏とともに、Cameron の講義録に触発されて、置換群の cycle index、符号から得られる置換群の cycle index、符号の重み多項式の高種数版を考察し、論文を投稿した。特に高種数の cyclic index と higher weight enumerator の関係を explicit に与えた。 本間恵太氏とともに小関道夫氏のヤコビ多項式の高種数版を考察した。そこでは符号の重み多項式、intersection enumerator、ヤコビ多項式の高種数における関係式が与えられた。これらは小関氏の結果の自然な拡張となっている。プレプリントは完成し、大浦のホームページ上で公開している。また、ヤコビ多項式のE-多項式の概念にたどり着き、今後の研究を進める予定である。 Nur Hamid氏、小須田雅氏とともに、対称群、古典的な不変式環の関連について研究を行った。これはE-多項式の概念古を典的不変式論に適用したもので、これまでのE-多項式の研究と同様の結果が期待できる。ある特殊な不変式の列を考える。そこでは対称群とその部分群が現れる。不変式の列からは古典的な不変式環の部分環が得られる。対称群とその部分群を考えることにより、置換群が得られ、そこでの組合せ論が展開できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
様々な格子から考えられる E-多項式の計算は不十分な点もあるが、符号から得られる多項式の高種数版、ヤコビ多項式、E-多項式の古典的不変式論における議論、置換群から考えられる組合せ論など、当初の想定よりは新しい概念にたどり着いている。いずれの場面においても有限群、置換群が現れ、また、対称群とその部分群、古典的不変式論の関係を考察するいたって、これまでのE-多項式の基本的な理念の確認ができた。それぞれが私にとって新しいものであり、今後の発展が多いに期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
様々な格子から考えられるE-多項式の成す環、そこから得られる置換群の組合せ論について研究を行う。ここでは格子の自己同型群の議論が重要である。すでに知られている有限群の理論の応用が期待される。 高種数版のヤコビ多項式の不変式論的考察を行う。ここでは、高種数の重み多項式について知られている結果が応用できる。 対称群、古典的不変式論に関連したE-多項式の概念の考察を行う。古典的な不変式論を考察する一方で、対称群の表現論が多いに役にたつと思われる。 いずれの研究においても、置換群が現れた場合、アソシエーションスキームとの関連を考察する。
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