研究課題/領域番号 |
17K05165
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
花木 章秀 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (50262647)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アソシエーションスキーム / 表現 / 中心化環 |
研究実績の概要 |
アソシエーションスキームのモジュラー表現、すなわち正標数の体上での表現、の研究を中心に行った。よく知られているようにアソシエーションスキームの隣接代数の全行列環における二重中心化環は複素数体を係数体とする場合には元の隣接代数に戻る。アソシエーションスキームがシュアー的ならば、これは任意の係数体上で成り立つが、一般には成り立たない。サイズが32の場合には非シュアー的スキームの95%がこの性質をもっていない。これはこの性質を調べることが非シュアー性を判定するのに役立つことを意味している。本研究では、関係の数が3以下の場合には非シュアー的であってもこの性質が満たされることを示した。関係の数が3である非シュアー的スキームは強正則グラフなどにたくさん例が知られているため、これは有用な結果であると思われる。
また John Bamberg (University of Western Australia), Jesse Lansdown (University of Western Australia) と共同で、代数計算用ソフトウェア GAP 上で動くアソシエーションスキーム用のパッケージ "AssociationSchemes" を開発し、WEB で公開した。これはこれまで WEB で公開していた関数を GAP パッケージの正式な形に書き換え、またオブジェクト指向プログラミングに書き換えた内容となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アソシエーションスキームの二重中心化環に関する研究は、まさに表題にある「アソシエーションスキームのモジュラー表現と標準加群の研究」である。同型は隣接代数をもっても、標準加群が同型でなく、その違いが二重中心化環にでる様子などが分かり、研究は順調である。
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今後の研究の推進方策 |
基本的にはこれまで通りに研究を進める予定である。新たに正標数の体上だけでなく、整数環上の表現も考える予定である。これについては、整数環上の隣接代数と判別式の関係など、既に得られている結果もあり、次年度はこれらをまとめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外出張先を大韓民国にしたため、予定よりも旅費がかからなかった。次年度使用額は平成31年度請求額と合わせて、講演などに用いるノートPCを購入する。
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