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2019 年度 実施状況報告書

種々の数論的対象から生ずる誤差項の平均値定理

研究課題

研究課題/領域番号 17K05166
研究機関浜松医科大学

研究代表者

古屋 淳  浜松医科大学, 医学部, 教授 (10413890)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード数論的誤差項 / 平均値定理 / 最大公約数 / オメガ評価
研究実績の概要

本年度に中心的に行った研究は、数論的関数の和の漸近公式の導出としてある自然数 k、n に対して「k と互いに素な n の最大公約数」を表す数論的関数 δk(n) の二乗に関する和の漸近公式の誤差項の解析である。先行する結果としては δk(n) の和公式、特にその和公式中の誤差項に関して種々の研究者により様々な結果が得られている。本研究では、Joshi-Vaidaya が1981年に取り組んだ k が素数 p のときの δp(n) の和公式における誤差項のオメガ評価(すなわち評価の限界を示すある指標)に該当する結果の導出の手法を、δp(n)の二乗に関する和公式に応用することにより誤差項から導出されるある種の関数のオメガ評価の結果に該当する公式を導いた。この場合は、誤差項そのものに既存の結果を適用するのではなく、誤差項にある1次式を加えた関数について種々の変形を行って議論を進めていくのが特徴である。また1991年に Adihikari-Balasubramanian によって得られた一乗における誤差項のある種の評価の類似として二乗の場合も誤差項から生成されるある種の関数の上からの評価の導出を得ることが出来た。これらの結果は山口大学の中野実優氏、南出真氏との共同研究の結果である。

また、他の研究として2つのディリクレ級数、特に一方があるディリクレ級数の微分に対応している場合の積を生成関数とする数論的関数の和公式の解析の考察も行った。これについては問題設定および計算の方針を立てるところまでの考察にとどまっているが今後の課題として次年度への継続研究へと位置付けられる状況である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

該当年度の実績状況において説明の通り、1つ目の課題「k と互いに素な最大公約数に対応する数論的関数の平均値定理」は成果を得ることが出来、学会での発表および論文の投稿が出来ている状況である。また2つ目の課題は問題を設定し計算を進めているのが現状であり本年度に継続して研究が行える状況である。

今後の研究の推進方策

「研究実績の概要」欄への記載も行ったが、主たる研究として2つのディリクレ級数、特に一方があるディリクレ級数の微分に対応している場合、の積を生成関数とする数論的関数の和公式の考察にまずは取り組んでいきたい。この場合の生成関数はディリクレ級数の商の形で与えられるがその商の分母分子でどちらが微分化されるかによって問題の性質が違ってくることが予想される。それら2種類の相違、またはその2種類の生成関数・それらから生ずる2種類の数論的関数の関連性質等も調べつつ種々の和公式・和公式中の誤差項の解析を行っていくことを計画したいと考えている。また、それらの研究から派生する問題の考察等も併せて行っていくことも計画したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] k と互いに素な最大公約数の二乗平均の誤差項について2020

    • 著者名/発表者名
      中野実優、古屋 淳、南出 真
    • 学会等名
      日本数学会中国四国支部例会(岡山理科大学)

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公開日: 2021-01-27  

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