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2021 年度 実施状況報告書

K群の特殊元を用いた多変数岩澤加群の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K05176
研究機関徳島大学

研究代表者

高橋 浩樹  徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (90291476)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード岩澤加群 / Greenberg予想 / Kummer-Vandiver予想 / イデアル類群 / 特殊元
研究実績の概要

本研究の目的は,各種のp進ガロア表現に付随する岩澤加群の構造を特殊元を用いて具体的に調査し,実p分体のKummer-Vandiver予想,総実代数体のGreenberg予想,一般代数体の一般Greenberg予想などの未解決予想に対して詳しい成立理由を調査することである.
Kummer-Vandiver予想,総実代数体のGreenberg予想に関連して,二次体に1の原始p乗根を添加した体の円分Z_p拡大に対する岩澤加群の構造について,二次体の判別式の絶対値が200未満に対して100万~200万までの素数の範囲,絶対値が10未満に対しては2000万~4000万までの素数の範囲で調査を継続している.これらの計算時間と大域的な円単数のp乗根の存在を確認するガウス和と補助素数を用いた計算時間について,判別式および素数の大きさを考慮した比較を行い,将来的な並列計算による計算速度の改善について考察した.
岩澤加群の構造に深く関係する有限次代数体のイデアル類群の構造について,平成30年度から令和2年度の調査に引き続きlを素数として8pl分体に含まれる有理数体上2べき次の実アーベル体に対する計算機による調査を行った.虚アーベル体と同様にlとpによって変化する構造とpによって変化する構造が数値計算から予測されたが,理論的にこの現象について説明することができた.虚アーベル体のイデアル類群では 2ランク および4ランク となる箇所が実アーベル体の狭義イデアル類群では 4ランク および 8ランク に変化することが興味深い.さらにこの現象に関連して,1万以下の素数pに対し新たに定められた不変量を計算機を用いて決定した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計算機による調査が順調に進んでおり,そこから得られた知見から理論的な結果がほぼ得られているため.

今後の研究の推進方策

研究計画に従い,二次体に1の原始p乗根を添加した体の岩澤加群の具体的な構造についての調査結果をまとめた上で考察する.計算機による二種類の実験は継続
的に推進し,p分体以外の円単数のカップ積による一般Greenberg予想に対する精密な調査を発展的に行う.

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの影響により多くの研究集会が対面式で開催されなくなり,予定していた成果発表のための旅費が使用できなかったため,補助事業の目的をより精緻に達成するため補助事業期間を延長した.研究集会が開催されて自身が参加可能であれば旅費として使用し,それが困難である場合には研究を進展させるための物品や研究資料の購入のために使用する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] ある種の 2 ベキ次巡回拡大体のイデアル類群について2021

    • 著者名/発表者名
      高橋浩樹
    • 学会等名
      早稲田整数論セミナー
  • [備考] Exploring the Galois Universe

    • URL

      https://math0.pm.tokushima-u.ac.jp/~hiroki/major/galois1.html

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公開日: 2022-12-28  

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