研究実績の概要 |
相変わらずKdV 方程式系や変形KdV方程式系の広田表示について調べている.佐藤幹夫氏が1980年にこれに関する日本語の論説を書き(数理研講究録所収)計算結果を表にしているが,その意味が;最近になってようやく少しわかってきたところである.シューア函数やシューアのQ函数の恒等式が関係している.水川裕司氏による定式化に関連してシューア函数の恒等式が登場するが,その証明も仕上げなければいけない.さらに対称群の p=2 のモジュラー表現論かが本質的に関係しているらしい兆候が見られるので,その方向も現在精査中である.ヴィラソロ代数のフォック表現に関して面白い恒等式を見つけたので,青影一哉氏,新川恵理子氏と共著論文を2編書いた.KdV とうまく関係付けられそうな気がするが予断は禁物である.ヴィラソロ作用素とプリュッカー関係式は私の若い頃からの研究のモチべーションである.分割の単因子に関して千吉良直紀氏と共著論文を書いたが,まだ出版に至ってはいない.易しい初等整数論でありながら対称群の表現論の深いところと繋がっている ような気配がある.レフェリーがいかなる判断を下すのか興味津々である.様々な一般化が可能であるはずで,もう少し詳しく追求してみても面白いかなと思っている.
|