研究課題/領域番号 |
17K05187
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
澁川 陽一 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (90241299)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 右双亜代数 |
研究実績の概要 |
ダイナミカル・ヤン・バクスター写像は,Faddeev-Reshetikhin-Takhtajan構成法を通じて,双亜代数と面代数という2種類の代数を生み出す.この2つの代数の少し広い意味での森田同値性を明らかにすることが本研究の目的である.すなわち,研究代表者らが構成した双亜代数のダイナミカル表現全体のなすテンソル圏と,面代数の表現全体のなすテンソル圏の間の圏同値を得ることを研究目的とする. 平成29年度には.必ずしも分離的フロべニウス環とは限らない代数を伴う双亜代数を,より直接的かつ簡明に構成することに成功した.この研究成果に引き続き,本年度は,一般化された右双亜代数を,より一般化された面代数と関係付ける研究を行なった.ここで利用する一般化された面代数は,研究代表者が指導中の学生による研究成果である.Matsumoto-Shimizu (J. Alg. 507 (2018), 47-80) により構成された面代数から弱双代数への弱双代数としての準同型を,この場合に一般化できることを示したのが本年度の研究成果である.この研究成果は本研究課題において決定的な役割を果たす.代数間の準同型があれば,これを通じて,それぞれの代数の表現全体のなす(テンソル)圏の間に関手が構成できるからである.この研究成果については,来年度,共著論文としてまとめたいと考えている. また,先ほど説明した平成29年度の研究結果については,平成30年度から本年度にかけて共著論文としてまとめ,現在その修正中である.来年度の早い時期に論文雑誌に投稿したい.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
交付申請書に記載した平成29年度,31年度(令和元年度)の研究実施計画はおおむね達成されているが,平成30年度の研究実施計画が達成されていない.
|
今後の研究の推進方策 |
交付申請書に記載の研究実施計画に概ね従って,今後の研究を推進する.
|
次年度使用額が生じた理由 |
交付申請書に記載した平成29年度および31年度(令和元年度)の研究実施計画はおおむね達成したが,平成30年度の研究実施計画は達成できなかった.このため,次年度使用額が生じた.来年度,未達の研究計画を遂行する際に使用する予定である.この際,新型コロナウイルス感染症拡大防止のため,特に研究打合せなどに支障が生じる可能性が高い.このような研究計画遂行上の障害をなるだけ避けるため,必要な設備を購入することも考慮している(ただし,新型コロナウイルス感染症に関する状況変化に応じて適宜見直す).
|