我々は、1980年代より共形場理論の研究を続けています。1980年代から1990年代にかけて、アファインリー環の可積分表現にassociateしてgenus zero上のN点付き安定曲線のmoduli 空間上にN体の共形ブロックの層の構成を行いました。アファインリー環の可積分表現のアーベル圏は、有限個の単純対象をもち、アーベル圏としては半単純であることが重要であります。2000年前半より、我々は表現の単純対象の数は有限個であるが、アーベル圏としては半単純でない場合に対して上記理論の拡張を試みてきました。頂点作用素代数の普遍代数を定義し、さらに零mod代数を定義しました。この零mod代数の有限次元となるものをQuasi-fits finite vertex operator algebraと呼びます。このQuasi-fits finite vertex operator algebraの表現のつくるアーベル圏は有限個の単純対象でありますが、アーベル圏と半単純でないことが分かります。Genus 0 N点付き安定曲線上moduli 空間上にN体全真空のsheef をModuli空間のboundaryに沿って右安定特異点型D-varuとして定義しました。このsheefがmoduli空間上locally freeであるかどうかを永友-土屋の論文で検証しました。 そして、さらにこの問題について考察を行い、次の結果を得ました。 ①余真空の空間はmoduli空間上locally freeである。②boundaryに沿って因子化定理が現れる。 また、この定理の証明の過程で、次の定理を得ました。 ①「Quasi-fits finite vertex operator algebra表現のつくるアーベル圏が半単純であること②零mod代数が半単純であることは同値である。
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