研究実績の概要 |
工藤桃成氏(神戸市立工業高等専門学校助教)と当研究室の千田駿人君との共同研究により、標数5以上で必ず種数4の超特異曲線が存在することを証明することが出来た。標数2、3では既に種数4の超特異曲線の存在が示されているため、任意の標数での種数4の超特異曲線の存在が示されたことになった。種数3以下の場合はDeuring, Serre, Ibukiyama, Harashimoto, Katsura, Oortらによる研究で90年代はじめまでに示されていたが、種数4の時の任意の標数での存在は全く示されていなかった。当研究の存在性の証明は、二つの楕円曲線の射影曲線上のファイバー積を用いるもので、この曲線は E. Howe によって調べられていたが、存在性に用いることができることは全く考えらていなかった。非常に大きな結果を得ることができた。論文は既に arXiv に投稿している。 また、工藤氏との共同研究で、超楕円の超特別曲線の数え上げアルゴリズムを提示し、種数4で高度な計算手法を駆使し比較的大きな標数においても数え上げに成功した:この研究成果は WAIFI2018 での口頭発表に採択され、発表を行った。その内容は LNCS 11321 に掲載された。 また、種数5の trigonal 超特別曲線の数え上げについて、工藤氏と共同研究を行った。種数5の trigonal 超特別曲線のより明示的な実現、簡約化、フロベニウス射の具体的記述、による、超特別曲線の効率的な数え上げアルゴリズムの提出に加え、高度な計算手法を用い、低標数での数え上げを行った。その成果は MEGA2019 に投稿し、ポスター発表に採択された。
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