研究実績の概要 |
2019年度は、非超楕円曲線の超特別曲線の数え上げの論文(工藤桃成氏との共著)、その自己同型群の論文(工藤氏と千田駿人氏との共著)、種数5の超特別 trigonal 曲線の数え上げの論文(工藤氏との共著)、および組み合わせ論、解析的整数論、中心極限定理などの確率論的手法を用いた Newton polygon の数え上げについての論文(単著)の修正を行い、これらの論文の採録決定を頂いた。次に、種数 4 の超特異曲線が任意の標数で存在することを証明することができた。種数 3 以下では Deuring, Ibukiyama, Katsura, Oort, Hashimoto, Brockらによって、存在が示されていた(種数 3 以下では数え上げも知られている)が、種数 4 については有名な未解決問題であったため、大きなインパクトを持った結果となった。その論文の執筆を行い、既に投稿も行った。また、その論文で用いた曲線(Howe曲線とよぶ)の超特別なものの、計算機を用いた数え上げについての論文も執筆した。先の論文は超特異なものの存在証明であったが、今回は超特別なものの数え上げを行った。比較的大きな標数に対しても用いることが出来るアルゴリズムを提案することができた。超特別なものを見つけるだけでなく、同型類を完全に数え上げることを目標にしている。当初、工藤氏との共著で進めていたが、Howe 氏から重要なコメントを頂き、Richelot 同種を用いた、極めて高速な手法が発見されたため、現在は Howe 氏も著者に加わり修正を行っている。
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