余次元eの射影多様体の一般のe-1点が張る線形部分空間からの線形射影が,同型とならない点集合は因子になり,それを二重点因子と呼ぶ.また,点からの線形射影が射影多様体と像の非双有理のとき,射影の中心点を非双有理中心点と呼ぶ.射影多様体の外にある非双有理中心点の集合を外セグレローカス,多様体の非特異点である非双有理中心点の集合を内セグレローカスと呼ぶ. 本研究で次の結果を得た.第一に,非特異とは限らない射影多様体に対して,二重点因子の成す線形束の基点は,特異点の集合か内セグレローカスに含まれることを証明した.第二に,外内セグレローカスの既約成分の数の上限を,射影多様体の次数,次元,余次元で与えた.
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