研究課題/領域番号 |
17K05199
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
伊藤 公毅 大阪電気通信大学, 共通教育機構, 特任准教授 (30456842)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 差分加群 / ドラームコホモロジー / サイクルのホモロジー |
研究実績の概要 |
1.本研究の初期段階で導入した、単体的サイト上の局所自由O加群の圏、その下部にあるサイト上の局所自由O加群の圏、そして、古典的射影直線上の局所自由O加群の圏が同値であることがわかった。これにより、単体的サイト上の有理形q接続の圏と、下部にあるサイト上の有理形q接続の圏が同値であることが従う。 2.より一般の差分について差分加群の枠組み(定義)をはっきりさせた。これにより、そのコホモロジーの定義は明確なものとなった。(一方で、具体的な実現は、各論としてさまざまであり、特にサイクルのホモロジーの定式化は、難しさが依然残っている。 3.しかしながら、サイクルのホモロジーについて、q差分の場合については、高次元を含めだいぶ理解が進んできた。ドラームコホモロジーとのペアリングである、「積分」についても明確になりつつある。(グロタンディークによる高次元の留数を活用することになる。) 4.ホロノミック系の定義が固まってきた。これに関連して、コーシー問題や、特異点のありかたが次第に明らかになりつつある。また、リーマン・ヒルベルト対応のあるべきステートメントが次第に明らかになりつつある。(特異点と関連して級数展開のありようが問題になるが、ここについては未だよくわかっていない。) 以上のように差分加群(特にq差分加群)の理論整備において、技術的な面を含め細かい点を含め進展があった。現在、はっきりした部分について論文作成中である。今後は特に、サイクルのホモロジー、コーシー問題、特異点関連している部分を明確にすることが目標である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理論構築に際し、単体的空間の一般論について細々とした補題を整えるのは、少々時間がかかってしまった。(よく知られている、とは限らず、自前で証明をつけるべきことが多くあらわれた。)一方で、そのおかげもあり、上で述べた圏同値を得ることもできた。新しい、命題をみつけ、その証明をあたえることとなったため、いささか余計に時間を要している。 (こういった、技術的だが大事な点に触れる機会となったのは、コロナから徐々に研究活動が再開され、研究討議が行えるようになった産物である。)
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今後の研究の推進方策 |
まず、これまでにえられた結果を取りいそぎまとめて出版する。 次に、進展のあった最新の結果について、多くの研究者に説明し、研究討議を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響により、途中3年ほど、研究が計画通りすすめられなかったため。(特に、研究討議のための出張がほぼできていなかった。昨年度は、徐々に再開され、研究が再び進展し始めたが、それまでの遅れがまだ解消されていない。)
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