研究実績の概要 |
2017年度は2つの論文を出版した:[1] On the topology of arrangements of a cubic and its inflectional tangents, Proc. Japan Acad. Ser. A Math. Sci. 93 (2017), 50-53 (S. Bannai, B. Guervile-Balle, T.Shiraneと共著), [2] Geometry of bisections of elliptic surfaces and Zariski N-plets II, Topology and its Applications., 231(2017), 10 - 25. [1]は,3次曲線とその変曲点での接線からなるZariski対の研究に新たな視点を導入している.[2]は[1]の視点を2015年に発表した手法にに取り込み,Zariski 5組の興味深い例を与えている. また,2つのpreprinを執筆した: [3] Rational points of elliptic surfaces and the topology of cubic-line, cubic-conic-line arrangements (S. Bannai, M. Yamamotoと共著), [4] On the Abel-Jacobi map of an elliptic surface and the topology of cubic-line arrangements (S. Bannaiと共著) 共にarXivで公開しており,[3]は投稿中である. [3]は論文[1]にあるZariski pair とは異なるcubic-line arrangementを楕円曲面のModel-Weil群を利用して構成しており,[4]では[3]の成果をAbel-Jacobi写像と研究代表者の二面体被覆に理論を用いて精密化し,補空間の基本群が共に非可換群であるようなZarisiki pairの例を与えている.なお,[4]の成果はZargoza大学のArtal Bartolo氏からの[3]の結果へのコメントを受けて得られたものである. さらに,[1]と[3]のアイデアを用いてquartic-line arrangementのZariski pairに関する論文を坂内,山本と共に執筆中である.
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