研究課題/領域番号 |
17K05206
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
小林 正典 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (60234845)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | トロピカル幾何 |
研究実績の概要 |
引き続き,F1代数を用いたトロピカル幾何学の基礎付けと,工程計画問題において,最短完了時間のニュートン多面体の幾何的情報から元のネットワークの構造についてどのような情報が得られるかについて調べた. 後者に関しては前年度までの研究により.プロジェクトネットワークの極大経路と,最短完了時間をトロピカル多項式として表したときの項,そのニュートン多面体の頂点,といった集合に一対一の対応がつく.これを通じて,例えば,トロピカル多項式としての因数分解がプロジェクトネットワークの分解と対応すること,ニュートン多面体の2頂点が隣接しないこととプロジェクトネットワークにクロス構造と呼ぶ特定の構造があることが同値であることなどが示されていた.これをより次元が高い場合に一般化する作業を行っていた. 10月20日から23日までオンラインで行われた城崎代数幾何学シンポジウムにおいてトロピカル幾何とその工程計画問題への応用について研究発表を行った.この報告集は京都大学のリポジトリ紅よりオンライン出版された.他に講演予定であった研究集会は,コロナ禍のためにキャンセルとなった. 例年通り計画していた東京大学玉原国際セミナーハウスにおける合宿型の代数幾何に関する勉強会も,実施が不可能となった.なお代わりに,1月14日・15日にトロピカル幾何を研究する指導する大学院生を中心にオンラインでの研究会を実施した際,ZOOMのサポートおよび助言を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため発表予定であった研究集会のキャンセルが重なり,主催予定の合宿型の勉強会も開くことができなかった. 計画は次年度に持ち越した.
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今後の研究の推進方策 |
工程計画問題へのトロピカル幾何の応用の研究を,オンラインで小田切真輔氏と共同で進める. トロピカル幾何に関する研究集会を若手を中心に引き続き開催する援助を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため,計画していた研究集会の開催ができなくなり,出張旅費等が使えなくなった.次年度に開催を考えるところだが,状況によっては研究用の計算機等への支出に切り替える.
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