研究実績の概要 |
平坦な擬Riemann空間型内の平均曲率ベクトルが零である空間的曲面について調べた。このような曲面上にはある正則4次微分(以下、Hopf4次微分と呼ぶ)を定義できる。空間が4次元Euclid空間である場合、Hopf4次微分が恒等的に零であることと曲面が等方的極小であることは同値である。 今回の研究では、冒頭のような曲面の(-1)-写像というものを定義した。空間の次元をn+2とするとき、(-1)-写像はn次元複素数空間への正則写像である。そしてHopf4次微分が恒等的に零であることと(-1)-写像がある複素2次超曲面に値をとることは同値であることを示した。(-1)-写像がこの条件を満たしかつ恒等的に零でないときに、(-1)-写像から(-2)-写像という(n-2)次元複素数空間への正則写像を定義した。やり方としては同様で、(-k)-写像というものから(-k-1)-写像というものを定義した。(-k)-写像は(n+2-2k)次元複素数空間への正則写像である。 今回の主定理はRiemann面Mの正則はめこみおよびその類似物の特徴づけを与える。FをMの平坦な(n+2)次元擬Riemann空間型への平均曲率ベクトルが零である空間的はめこみとする。Kを(n+1)/2を超えない整数の最大値とする。このときFの(-1)-写像から(-K+1)-写像のいずれかが恒等的に零であるまたは(-K)-写像がある複素2次超曲面(実際には曲線または零元のみ)に値をとることとFと空間の等長変換との合成がF=(F_+, F_0, F_-)または(F_+, F_0, F_-, 0)と表されることは同値であることを示した、但しF_+、F_-はいずれもある次元の複素数空間への正則写像で、F_0は光的法ベクトルにM上の調和関数を掛けたものの組で与えられる。
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