研究課題/領域番号 |
17K05240
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
山口 祥司 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30534044)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ライデマイスタートーション / ザイフェルト多様体 / 幾何構造 / 漸近挙動 / 力学系 / ゼータ関数 |
研究実績の概要 |
前年度までに得られていた研究成果である錐特異点をもつ曲面上の単位接束とみなせる三次元多様体におけるライデマイスタートーションの漸近挙動について口頭発表を行い、研究成果についての意見交換を行った。また前年度までに得られた研究成果をまとめた内容を学術論文として出版することができた。出版論文では、錐特異点をもつ曲面上の単位接束とみなせる三次元多様体においてライデマイスタートーションの漸近挙動が曲面上の測地線流が定める力学系のゼータ関数の値を利用して記述できることを明らかにした。錐特異点をもつ曲面上の単位接束とみなせる三次元多様体におけるライデマイスタートーションを定める際には、基本群から(普遍被覆空間の)等長変換群への準同型写像という三次元多様体の幾何構造を定める準同型写像を利用しており、三次元多様体の幾何構造が定めるライデマイスタートーションの漸近挙動についても考察できたといえる。 当該年度は三次元多様体の幾何構造の変化とライデマイスタートーションの漸近挙動の関係について、三次元多様体の幾何構造の変化を表すパラメータ集合として多様体の基本群から特殊線形群SL(2;C)への準同型写像の集合を選び、考察を進める計画であった。三次元多様体の基本群から特殊線形群SL(2;C)への準同型写像の集合について考察を続けていたが、コロナ禍での移動制限による研究打ち合わせの機会減少や研究以外の業務の増大があり研究計画の推進に困難が生じた。2021年度に計画していた課題の多くが残されたため研究期間を再延長して研究計画を継続することにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍の移動制限による研究打ち合わせの機会減少や研究以外の業務の増大により、計画していた課題に取り組むことに困難が生じた。想定した段階に研究計画を進めることができなかったので進捗状況は遅れていると判断した。残された研究課題に取り組むべく研究期間を再延長した。
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今後の研究の推進方策 |
コロナウィルス感染対策のための移動制限などが緩和されれば、対面での研究打ち合わせや研究成果の発表を通じて専門家と意見交換を行い研究計画を推進していく。コロナ禍が続き移動制限が緩和されない場合でも、オンラインツールの利用について蓄積してきた知識や経験を活用し、オンラインでの研究発表や研究打ち合わせ通じて遠隔地の専門家との意見交換を行い研究計画を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の移動制限により研究発表や研究打ち合わせのための出張の多くが中止になったため出張や研究者の招聘のための予算の多くが未使用になった。また、出張先での研究発表や研究打ち合わせ時に使用するラップトップなどの機器の購入予算も未使用になった。 研究期間を再延長したので、コロナウィルス感染対策の移動制限が緩和されれば研究発表や研究打ち合わせの出張旅費や出張先で研究発表や研究打ち合わせに使用するラップトップの購入に使用することを計画している。またコロナウィルス感染対策の移動制限が続くようであれば、オンラインでの研究発表や研究打ち合わせを円滑に進める環境整備に使用することを計画している。
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