研究課題/領域番号 |
17K05242
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
田中 心 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (70448950)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 低次元トポロジー / 曲面結び目 / カンドル / 結び目 |
研究実績の概要 |
2020(R02)年度は、昨年度に得られた成果(結び目彩色多項式と1-タングルのカンドル彩色不変量の関係)をより深めた。結び目彩色多項式とは2007年にEisermannによって導入された有向結び目不変量であり結び目群から有限群への表現を用いて定義される。1-タングルのカンドル彩色不変量とは2017年にClark-Dunning-Saitoらによって導入された有向結び目不変量であり1-タングルの結び目カンドルから有限カンドルへの表現を用いて定義される。両者は共に「カンドル2-コサイクル不変量」と呼ばれる有向結び目不変量の一般化であることが知られており、両者の間の関係性を考察することには意義がある。得られた成果を2021年1月にオンライン上で行われた国際研究集会「The 16th East Asian Conference on Geometric Topology」で発表した。 また2018(H30)年度に定義した「カンドルホモロジー理論における新しいチェイン写像」について、その当時得られていた「幾何的な振る舞い(結び目不変量)に関する成果」と昨年度新たに得られた「代数的な振る舞いに関する成果」を論文にまとめ、プレプリントとして公表した。その他、現在二本のプレプリントが専門誌へ投稿中である。その他には以前に「バイカンドル彩色とカンドル彩色の関係性」について共同研究をした石川勝巳(京都大学)氏とオンラインでの議論を重ね、いくつかの研究に関する新たな知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で述べたように、研究成果が出ていることや投稿中の論文が存在していることを考慮して「おおむね順調に進展している」と自己評価を行った。
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今後の研究の推進方策 |
プレプリントにまとめた「カンドルホモロジー理論における新しいチェイン写像」に関し、新たな知見が得られつつあるのでしばらくはその方向で研究をつづける。関連する(オンライン)研究集会やセミナーなどに参加し、自身の研究に生かす。また研究成果を発表し、関連分野の研究者からのフィードバックを得て、成果の改良や新たな方向性を模索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19によりキャンセルした出張があったために、旅費の支出が予定を下回ってしまったことが主な理由である。2021(R03)年度はより活動に研究活動を行い、学会出張や研究者招聘など当該研究推進のために使用する。
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