研究課題/領域番号 |
17K05244
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
KALMAN Tamas 東京工業大学, 理学院, 准教授 (00534041)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | トポロジー / 結び目理論 |
研究実績の概要 |
マサチューセッツ工科大学でのサバティカルを過ごした後の年度であった2019年度は、そこで蓄えた研究成果を論文としてまとめることに注力した。その結果は、複数の論文草稿として完成した。一つ目は、韓国の浦項工科大学校のByunghee An氏と京都大学のYoungjin Bae氏との共同研究である。その内容は、Legendrian graphsについてであり、これまでの私の研究および最近興味を持ってきたテーマともよい感じでブレンドすることとなった。二本目は、ブランダイス大学のOlivier Bernardi氏、そしてマサチューセッツ工科大学のAlexander Postnikov氏との共同論文である。この論文は、本研究課題の中でも重要な意義を持ち、いずれ高い価値を持ってくるものであろうと思われる。具体的には、この論文の中で、我々はマトロイドからポリマトロイドへとトゥッテ多項式をよりよく拡張していった。これは2018年度のサバティカル取得によってその中で得られた研究成果をまとめたものである。残りの2本のうち1本は、ハンガリーのエトボシュ・ローランド大学のLilla Tothmeresz氏、及び韓国のSeunghun Lee氏との共著論文である。そこで、我々が明らかにしたことは、二部グラフについてのリボン構造と平方根の超多面体の間に美しい関係性が存在する点である。また、モナシュ大学のDaniel Mathews氏との論文は、2020年のJournal of Topologyに掲載されることが決定している。さらに、ジョージア工科大学のCamden Hine氏との論文もほぼ掲載決定間近である。 2019年9月に日本数学会の秋季大会で招待講演をしたことは誉であった。また、2020年2月に沖縄科学技術大学院大学での結び目理論のミニシンポジウムでも講演を行い、聴衆からの建設的なコメント、そして成果全般に対して手ごたえを得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複数の論文草稿が出来上がり、出版が決まっているものもあり、順調な進み具合である。
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今後の研究の推進方策 |
論文の草稿をジャーナルに送る前にもう一度手直し、できるだけ早く国際学術雑誌へ送り、掲載を目指す。またまだ証明の終わっていないいくつかの課題に取り組み、次の論文執筆にとりかかる。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に予定していた出張が新型コロナウイルス感染拡大のため中止になったため。
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