研究実績の概要 |
本研究では,「非可換幾何学の枠組による指数定理の拡張」および「葉層多様体や微分同相群が関与する指数定理の展開」を目標とし,指数定理の一般化と微分位相幾何への応用を目指している.2018年度は第一に,指数定理を離散化するという研究方針を掲げて,Ginsparg-Wilson 指数が関与する指数定理および多面体に対する Gauss-Bonnet 定理と Alexander-Spanier コホモロジーに関する研究を進展させた.第二に,2017年度に行った完備リーマン多様体から定まる Roe algebra の詳細な研究の延長として,有界コサイクルが関与するリーマン面上の指数定理に関する研究を行った.第三に,本研究の具体的目標のひとつである Godbillon-Vey 葉層特性類,あるいはそのファイバー成分である Bott-Virasoro 類に関連して,中心等積アファイン曲線全体のなす空間上のシンプレクティック構造に関する研究を開始した.この研究においては Bott-Virasoro 類に対応するシンプレクティック型式(Gelfand-Fuchs 2-コサイクル)がモーメント写像と関連して出現し,単位円の微分同相群との密接な関連性が明確になりつつあり,今後の進展が期待される. これらの成果を,招待講演として以下の国際研究集会: Noncommutative Geometry and Representation Theory, Chengdu, China, May 15, 2018, Symmetries in Symplectic, Contact and Poisson Geometries, Suzhou,China, June 8, 2018, AMS Spring Central and Western Joint Sectional Meeting, Honolulu, HI, USA, March 23, 2019 において報告した.
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