研究課題/領域番号 |
17K05252
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
渡邉 忠之 京都大学, 理学研究科, 准教授 (70467447)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 有限型不変量 / Chern-Simons摂動理論 / 局所系 |
研究実績の概要 |
令和3年度は、アサイクリックな局所系を持つ3次元多様体で、特に有限の基本群を持つもの(例えば、Poincareホモロジー球面、レンズ空間など)に対して、同変有限型不変量の構造を研究した。代表者は前年度までに、2ループグラフに対するChern-Simons摂動理論の方法が4次元多様体の非自明な微分同相をdetectするのに使えることを観察していたが、その中で使われた不変量と非自明な元の構成の手法は、3次元多様体に対しても適用できる。3次元多様体に対する不変量の構成方法は、本質的にはKontsevich, Bott-Cattaneoによる。元の構成は葉廣氏による。3次元多様体の場合は、2ループグラフの不変量は局所系にも依存するという意味でCasson不変量の精密化を与えると期待される。ただし、3次元多様体の場合に不変量の値が(Casson不変量をmoduloにして)非自明となることは、不変量が値をとる空間である2ループグラフの空間の非自明性によっており、そこの確認が必要であった。令和3年度は、太田勇士氏(島根大学)との共同研究において、Poincareホモロジー球面、レンズ空間に対する2ループグラフの空間を調べ、その次元を求めた。特に、その次元がかなり大きくなりうることを確かめた。有限な基本群の場合には群環が有限次元であり、グラフの空間の次元の計算は本質的に表現の指標の計算である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の目標である、無限基本群を持つ3次元多様体に対する有限型不変量の研究が進んでいないため。ただし、有限基本群の場合には結果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
無限基本群を直接扱うのは難しいので、まずは有限基本群の場合にreduceすることにより、非自明な情報を取り出すという方向で進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染流行のため、ほとんどの出張が中止となったため。
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