研究課題/領域番号 |
17K05255
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
宮澤 康行 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (60263761)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | knotoid / 多項式不変量 / 結び目理論 |
研究実績の概要 |
昨年度,東京女子大学トポロジーセミナーで行った講演の内容,結び目の Kauffman 多項式に相当する “knotoid”の Kauffman 多項式の構成と計算例を,2つの論文「A polynomial invariant of Kauffman type for knotoids」,「A polynomial invariant of Kauffman type for knotoids II」にまとめた。2つの多項式の構成には,研究代表者の論文「A multi-variable polynomial invariant for unoriented virtual knots and links」(J. knot Theory Ramifications 18 (2009))の手法が用いられている。現在,専門雑誌に投稿中である。一度,レフェリーから査読結果の報告があり,それに基づいて修正を施した論文について現在再審査が行われている。まもなく審査結果の最終報告があるものと思われる。
上記2つの論文では,それぞれにおいて“knotoid”の Kauffman 多項式が構成されている。結び目の Kauffman 多項式は類似してはいるが異なるスケイン関係式を満たす2つの手法で構成されることが知られている。上記論文において構成された2つの多項式は,それらに対応するスケイン関係式を満たすが異なるトポロジーを持つ,即ち異なる多項式である。結び目理論では起こらない“knotoid”理論における特有の現象であり,特筆すべき結果であると言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の主たる目標をほぼ達成できたため。
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今後の研究の推進方策 |
現段階において,研究の進捗状況は順調であると考えている。当初計画した研究目標がほぼ達成できたためである。今後は成果の応用面に目を向け,新規に目標を立案し,これまでの研究活動で培った知識・手法を駆使して課題解決に向け研究を遂行したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大防止のため,参加予定であった研究集会等がオンライン開催に変更され出張旅費が不要となり使用計画が当初の予定通りに遂行できなかったため。今後は多くの研究集会において対面化が予想されるため出張旅費を中心に,研究環境改善を目的とした物品購入等に充てることで有効活用する計画である。
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