研究課題/領域番号 |
17K05263
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
亀子 正喜 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (50270343)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 分類空間 / チャウ環 / サイクル写像 / コホモロジー / スチーンロッド代数 / モチービックコホモロジー |
研究実績の概要 |
2019年度の研究実績の概要は以下の通り。 (1) 岡山大学の中川征樹氏, 神戸医療福祉大学の西本哲氏との共著の査読付き論文 “On the mod 2 cohomology of the classifying space of the exceptional Lie group E_6" が学術雑誌 Proceedings of Japan Academy, Series A に掲載された。この論文では例外リー群 E_6 の分類空間の mod 2 コホモロジーの環構造および Steenrod 平方作用素の作用を決定した。 (2) 2018年に単著の査読付き論文 “Non-torsion non-algebraic classes in the Brown-Peterson tower" を学術雑誌 Mathematical Proceedings of Cambridge Mathematical Society に投稿した。2019年度の間は査読中であった。Quick は Atiyah と Hirzebruch の整数係数ホッジ予想の反例の構成を Atiyah と Hirzebruch が用いた Z/p の 3 個の直積の代わりに Z/p の n 個の直積を用いてある種の高次化に成功している。Quick の結果を p=2 に限定された状況ではあるが non-torsion コホモロジー類の場合に拡張したものがこの論文のテーマである。 (3) 査読なしの単著論文 "The mod 3 cohomology ring of the finite projective general group of degree 3" が数理解析研究所講究録に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
査読付きの論文1本, 査読なしの論文1本が出版されている。また SU(2) の n 個の直積を Z/2 ではなく Z/2 の (n-1) 個の直積で割って得られるリー群の分類空間のコホモロジーを調べるという新しい着想でプレプリント "Nilpotent elements in the cohomology of the classifying space of a connected Lie group" を書いてそれをプレプリントサーバー arXiv へアプロードしている。
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今後の研究の推進方策 |
SU(2) をその中心 Z/2 で割った商群は SO(3) であり, その分類空間のコホモロジーは一見すると簡単である。さらに Brown-Peterson コホモロジーもよく知られている。このことから SU(2) の n 個の直積をその中心( Z/2 の n 個の直積)で割った商群は SO(3) の n 個の直積になり, そのコホモロジーも簡単である。これをヒントに SU(2) の n 個の直積をその中心の真部分群で最大のもの, Z/2 の (n-1) 個の直積と同型なもの, で割った商群を考える。このリー群 G の分類空間のコホモロジー, Brown-Peterson コホモロジーおよび Morava K 理論を計算することにより新しい知見が得られるものと確信している。この方向での研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため年度末の研究集会への参加がなくなったことが理由の一つである。国内、海外の状況にもよるが次年度は可能な限り研究集会への参加、研究打ち合わせのための旅費として使用したい。
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