研究課題/領域番号 |
17K05264
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
安原 晃 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (60256625)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ウェルデッド絡み目 / クラスパー / 有限型不変量 |
研究実績の概要 |
絡み目の一般化であるウェルデッド絡み目に対して,絡み目の有限型不変量の拡張はGoussarov,Polyak,ViroやBar-Natan,Dancsoによる先行研究が知られている.絡み目の場合,有限型不変量の図形的(幾何的)な解釈の研究手段として,Habiroによるクラスパー理論が知られている.一方,ウェルデッド絡み目の有限型不変量の図形的解釈の研究に関しては,幾つかの試みはあるものの満足のいく結果は得られていない。本研究では,ウェルデッド絡み目の有限型不変量の図形的解釈の研究の為に,Habiroのクラスパー理論のウェルデッド絡み目版と見なせるものを新たに定め,ウェルデッド絡み目の有限型不変量の図形的解釈を与えることを目標とする. 研究代表者はグルノーブル大学のMeilhan氏との共同研究で,ウェルデッド(ストリグ)絡み目に対し,有限型不変量を保存する局所変形(これを,Wk-moveと呼ぶ)を定める事に成功した.ここで,定義に用いたクラスパーは,HabiroのCkクラスパーと本質的に異なるため,Wkクラスパーと呼ぶ事にする. 今年度は,9月にMeilhan氏を訪問し,また3月にMeilhan氏を招聘することで,研究交流をはかり,本研究の進展に役立てた.今年度は,昨年度得られた結果「ウェルデッド・ストリング絡み目のWk同値類は,群の構造を持つ.」を踏まえて,研究を進め,ウェルデッド・ストリング結び目の群をAlexander多項式を用いて完全に特徴つけることに成功した.また,昨年度の「今後の研究の推進方策」で記述した通り,Wk+1同値なウェルデッド(ストリング)絡み目は,Wk同値であることも証明できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に沿って,ほぼ予想通りに研究が進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度も,研究交流・成果発表の為の国内出張(大阪,京都,九州)及び海外出張(グルーノーブル,ワシントン)を行い,本研究の進展に役立てる.Meilhan氏との共同研究で得られたWk-moveは,Wk-tree やW-arrowを用いて定義される.Meilhan氏との共同研究では,Wk-treeやW-arrowの変形に関して,Arrow calculasというものも定義した.これは,Habiro氏のクラスパー理論のウェルデッド版を構築する鍵となるもので,応用範囲も広い.今後は,研究計画通りにGoussarov-Habiro予想のウェルデッド版の解決に取り組む事と並行して,Arrow calculasを用いて新しい問題にも取り組みたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
本務の都合により,予定していた海外出張を中止したり,短縮したことが大きな理由である.
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