研究課題
基盤研究(C)
量子ウォークは光子や電子といった量子の動きを数学的に表すもので、量子アルゴリズムの一つである探索アルゴリズムなど応用も多い。量子ウォークにはユニタリ同値という同値性があり、ユニタリ同値である量子ウォークは同じ量子ウォークとみなすことができる。本研究では、1次元、2次元、円上の量子ウォークなど、いくつかの量子ウォークについて、ユニタリ同値となるための必要十分条件を明らかにした。
関数解析学
ユニタリ同値である量子ウォークは、確率分布やスペクトルといった重要な性質のほとんどが一致する。そのため、量子ウォークがユニタリ同値である必要十分条件がわかると、解析すべき量子ウォークの数を減らすことができるようになる。例えば、スプリットステップ量子ウォークでは、もともと4個のパラメータが必要だったのに対し、ユニタリ同値の研究後は、2個のパラメータのみ必要であることがわかった。これにより、量子ウォークの研究をより平易に行うことができるようになった。