ディン・庵原・三木代数は、ホップ代数の構造と2つの中心を持つ無限次元代数であり、W無限大代数、(q-)ビラソロ代数や(q-)W代数などをその特殊な場合として内包している。又、我々が発見した様に、その相関関数は5次元超対称ヤンミルズ理論のネクラソフ分配関数と一致している。そのため最近非常に注目を集めている重要な代数である。 以前の研究では、ディン・庵原・三木代数のインタートワイナーを合成すると、代数の遮蔽演算子が得られることが分かり、又、その遮蔽演算を用いて構成される特異状態が代数の消滅演算子で消えるという条件から、相関関数のワード高橋恒等式を導いた。又、それらの楕円化も行なった。 本年度は、この代数及びそれを gl_1 からgl_N 的に拡張したトロイダル代数の解析を行ない以下の様な成果を得た。 代数の中心が特殊な場合(レベル1)に対し、インタートワイナーのブレイド関係式とシフト関係式を用い、ディン・庵原・三木代数のR行列や (qt)-KZ方程式を導出した。 更にそれを gl_1 から gl_N 的に拡張した gl_N 型トロイダル代数に対しても同様の解析を行った。レベル1の gl_N 型トロイダル代数は、N 種類の自由ボゾンで表現されるが、その場合のインタートワイナーは gl_1 の場合のそれのボゾンの係数を変形カルタン行列の逆行列に置き換えることで得られる。それを用い gl_1 の場合と同様にR行列や (qt)-KZ方程式を導出した。
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