研究課題/領域番号 |
17K05278
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
岡安 類 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70362746)
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研究分担者 |
縄田 紀夫 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (90614040)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | von Neumann 環 / 因子環 |
研究実績の概要 |
令和元年度は前年度に引き続き単射的因子環の研究の研究を主に行った。 Connes の結果である単射的 III_1 型因子環の唯一性の別証明が Haagerup によって与えられたが、その証明を因子環の型に依存しない形で単射性と超有限性の同値性の証明を与えることを目的に研究をつづけた。前年度までに Haagerup の定義した bimodule のベクトルの組に対する \delta-rerated という概念を拡張した almost \delta-related に関する研究を行い、引き続きキーポイントとなる箇所の研究を継続して行った。証明には単射性よりもむしろ半離散性を用いる。証明には与えられた modular 自己同型写像の情報も込みの半離散性が必要であるため、一般の von Neumann 環の半離散性からより強い modular 自己同型写像込みの半離散性が導かれることを証明した。今年度は証明を推し進めるために、bicentralizerと有理数安定について研究を主に行った。bicentralizerが自明であるというのが、単射的 III_1 型因子環の唯一性の本質であった。一般に III_1 型ならばいつでも自明であるというのは未解決問題として残っている。bicentralizerは von Neumann 環の状態に定義されたものだったが、より一般に超積を用いることにより荷重に対して定義し、性質について調べた。また有理数安定を実数の部分群に対して定義することにより、一般的な議論へと発展させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
bicentralizerの性質を調べることができた。
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今後の研究の推進方策 |
証明の最後のステップについて研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症による2月3月の学会・研究集会等の中止による。
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