研究実績の概要 |
研究対象である作用素関数に関する論文・原稿が L.G.Brown (Purdue Univ. USA)から送付されてきた。それらは彼が以前から取り組んでいた Strongly operator convex function についてのものであり、私を含め日本ではなじみのない研究であるが、内容は独創的であった。私は彼とは異なる方法、即ち作用素不等式、を用いて彼の結果を簡単化し、e-mailでの共同研究によって、共著論文「Some results on strongly convex functions and operator monotone functions」Linear Algebra and its Applications (2018) を出版した。 この結果は日本数学会(岡山大学)で講演したほか、「作用素論・作用素環論研究集会(静岡大学)」で50分間の招待講演をした。 B. Simon (CalTec) から、Springer から出版予定の著書`Loewner's Theorem`の原稿が送られてきた。その中のある節のタイトルが `The Theorem of Bendat-Kraus-sherman-Uchiyama` となっていた。著者の知見の深さを示す重厚な原稿を精査して、多くの誤記を訂正した。 以前からの共同研究者である J.C. Bourin(Univ. Franche-Comte, France)を訪問した。そこではセミナーや討論によって、お互いの研究内容についての知見を広めた。その過程で、彼はイランの若い研究者の論文 H. Najafi `Operator means and positivity of block operators` (Math.Z 2018)に触れた。私はその翌日にその論文の基本的な定理の別証明を示した。
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