研究実績の概要 |
研究課題の一つは、Feichtimgerによって1983年に導入されたモジュレーション空間の研究である。この空間と局所的に同じである空間にフーリエールベーグ空間がある。2020年にKato-Sugimoto-Tomitaはこの空間FL^q_s(q>4/3またはq=4/3)に関する作用関数についての研究を専門誌に発表した。研究代表者と連携研究者は、重み付きフーリエ級数の空間の作用関数を調べ、フーリエールベーグ空間の作用関数についてKatoたちが研究されていなかった部分FL^q_s(1<q<4/3)について研究を行い専門誌に投稿した。分担者の古谷は、2020年に研究代表者との共同研究で発表した2重線形分数べき作用素のradial関数に関する重み付き評価に関して、重みの条件が最良であることを反例を作ることによって証明した。この反例により、線形の場合のDe Napoliたちの2011年の論文の結果がすべての次元において最良であることも示した。更に、3重線形ヒルベルの変換(a,b,c)の有界性に関しては指数が1/2より大きい場合の有界性はわかっている。一方で特殊な係数a,b,cの場合は予想される臨界指数1/3までは下がらないことがわかっていた。すべての係数a,b,cにおいて1/3までは下がらないことを反例を作って証明した。また、分担者の内山は、ヒルベルト空間上の有界自己共役作用素全体の集合に入る順序に関する種々の不等式及びその不等式を満たすような作用素についてその特徴などを研究した。特にある種の不等式を満たす3つの作用素の組について幾何学のクライン空間やド・ブラジェーロブニック空間の理論を用いて考察した。
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