• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

ランダム環境下の確率成長とその相転移

研究課題

研究課題/領域番号 17K05295
研究機関名古屋大学

研究代表者

吉田 伸生  名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (40240303)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワードdirected polymer / random environment / branchig random walk
研究実績の概要

個々に研究されてきた模型を統合的に記述する枠組みを提唱し,線形確率成長模型(Linear stochastic evolution) と名付けた.更に,不純媒質内での高分子に対する研究手法を一般化し,線形確率成長模型の枠組で次のような研究方針を打ち立て,検証を進めた. a1) 空間がI 次元,または2 次元なら全ての非自明なパラメーター領域(例えば0 , 1 以外の全ての人口密度}で、総人口の増大は、その平均値に比べ真に遅い (非正規成長) .正確には総人口をその平均値で、割った比r(t) が時刻t 無限大の極限で零に概収束する.更にr(t) が指数的に小さい(Lyapunov 指数の正値性). a2) 空間が1 , 2 次元なら全ての非自明なパラメー
ター領域で、局在が観測される。すなわち、人口は均等に拡散するのではなく特定の狭い領域に密集する. b1) 空間が3 次元以上の場合,パラメーターに応じて人口増大の速さに関する相転移が起る.例えば一定以上の人口密度を仮定すると,確率正でr(t) が正の極眼 を持つ(正規成長).一方,一定以下の人口密度では低次元の場合と同様にr(t) は零に概収束する. b2) 空間が3 次元以上の場合3 パラメーターに応じて局在/拡散の相転移が起る.例えば一定以上の人口密度を仮定すると人口の拡散は均等であるーより数学的に は,人口の分布に関する中心極限定理が成立する。一方,一定以下の人口密度では低次元の場合と同様な局在が発生する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当該研究分野は近年までに急速な発展を遂げる中,手を付けやすい問題は既にほぼ解決し尽くされている.この先さらに研究を進めることは次第に困難になりつ
つある.またコロナ禍による研究交流の停滞に加えて,諸事情により,研究活動に使う時間が限られてしまった.

今後の研究の推進方策

線形確率成長模型の枠組で以下のような研究方針を打ち立て,検証を進める. a1) 空間がI 次元,または2 次元なら全ての非自明なパラメーター領域(例えば0, 1 以外の全ての人口密度}で、総人口の増大は、その平均値に比べ真に遅い (非正規成長) .正確には総人口をその平均値で、割った比r(t) が時刻t 無限大の極限で零に概収束する.更にr(t) が指数的に小さい(Lyapunov 指数の正値性). a2) 空間が1 , 2 次元なら全ての非自明なパラメーター領域で、局在が観測される。すなわち、人口は均等に拡散するのではなく特定の狭い領域に密集する. b1) 空間が3 次元以上の場合,パラメーターに応じて人口増大の速さに関する相転移が起る.例えば一定以上の人口密度を仮定すると,確率正でr(t) が正の極眼 を持つ(正規成長).一方,一定以下の人口密度では低次元の場合と同様にr(t)
は零に概収束する. b2) 空間が3 次元以上の場合3 パラメーターに応じて局在/拡散の相転移が起る.例えば一定以上の人口密度を仮定すると人口の拡散は均等であるーより数学的に は,人口の分布に関する中心極限定理が成立する。一方,一定以の人口密度では低次元の場合と同様な局在が発生する.

次年度使用額が生じた理由

昨年度はコロナ禍による出張見合わせのため支出が抑制された.今年度も現時点では先が見通せない.

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi