研究課題/領域番号 |
17K05298
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
芦野 隆一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80249490)
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研究分担者 |
萬代 武史 大阪電気通信大学, 共通教育機構, 教授 (10181843)
守本 晃 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (50239688)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 時間周波数解析 / 四元数値関数 / 線型正準変換 / フーリエ変換 / ウェーブレット変換 |
研究実績の概要 |
複素数値関数のフーリエ変換では,フーリエ変換を定義する指数関数がひとつの虚数単位 i だけで定義されるが,四元数値関数のフーリエ変換では,フーリエ変換を定義する指数関数が3つの虚数単位 i, j, k からいくつか選んで定義される.3つの虚数単位が非可換であるため,様々な四元数値関数のフーリエ変換の定義が提案され,それぞれの定義において成立する性質が研究されてきた.また,四元数値関数のフーリエ変換を定義する指数関数を与えられた関数にかける方向についても,指数関数を (1) 左からかける場合,(2) 右側からかける場合,(3) 両側からかける場合,(4) その他の場合があり,それぞれの場合に成立する等式や性質などが異なる. 本年度は,(2) の場合に成立するいくつかのフーリエ変換の性質について研究し,時不変線形システムとの関係を研究し,与えられた信号の導関数の評価について研究した.また,(3) の場合に成立する双対性について研究した.
また,フーリエ変換を含む積分変換である線型正準変換に関して研究した,分数冪フーリエ変換,フーリエ・ラプラス変換等は線型正準変換の一種と見なすことができるため線型正準変換の離散化と数値計算について研究が進展し,工学的応用の研究が行われている.我々は,四元数値関数の合成積の線型正準変換について研究した.これにより,四元数値関数の分数冪フーリエ変換,フーリエ・ラプラス変換等の変換像や合成積に現れる影響を統一的見方で扱う方法を研究した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
カラー画像は四元数値関数の3つの虚数単位 i, j, k で表される虚数部分に対応させることができる.そのため,様々な積分変換を使って四元数値関数を調べることは,カラー画像を様々に処理する方法を示唆する可能性がある. 四元数値関数のフーリエ解析,あるいは線型正準変換の理論的研究は進んでいるが,離散化と数値計算についての研究があまり進んでいない.
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今後の研究の推進方策 |
コンピュータグラフィックスで3次元の運動(平行と回転)に四元数が使われているので, この処理を参考にして,四元数値関数のフーリエ解析の離散化と数値計算について研究を進めたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
年度初めに以下のソフトを購入した. ソフトウェア更新(MATLAB) , ソフトウェア (ADOBE) 購入
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