研究課題/領域番号 |
17K05303
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
安藤 和典 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (70774884)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ノイマン-ポアンカレ作用素 / スペクトル解析 / レゾナンス |
研究実績の概要 |
(1) 共同研究者および研究協力者との共同研究において得られたNP作用素のスペクトル解析に関する結果について、以下の研究集会で発表を行った。・夏の作用素論シンポジウム(平成29年7月15日、伊勢市)・International Workshop: The Neumann-Poincare Operator, Plasmonics, and Field Concentrations(平成30年2月10日、韓国・済州島)・The 3rd East Asia Section of IPIA Young Scholars Symposium(平成30年3月18日、香港) (2) 国内で開かれた関連研究集会(「加藤敏夫生誕100周年記念研究集会」、「スペクトル・散乱とその周辺」、「葛飾 スペクトル・散乱セミナー」など)に積極的に参加し、最新の研究関連最新情報の収集に努めた。また、国内から関連研究者を愛媛大学に招聘して講演(「愛媛大学スペクトル・散乱セミナー」)を依頼した。 (3) (1)で挙げた国際研究集会に参加して、海外の関連研究者との情報交換を行った。また、海外の共同研究者を日本に招いて(愛媛大学、大阪大学)日本の共同研究者を交えて打ち合わせを行ったり、海外の共同研究者を訪ねて(韓国・仁荷大学)研究打ち合わせを行った。 (4) タブレットPCを購入して、研究活動に用いた。また、研究資料として数理物理学および解析学の専門書を購入して研究活動に役立てた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既存の研究において「角が2つ」あるintersecting diskと呼ばれる有界平面領域におけるNP作用素のスペクトルは絶対連続であることが分かっていたが、これまでの調査で「角が1つ」ある特殊な有界平面領域(cardioid、lemniscate)でも同様の手法を用いてNP作用素のスペクトルが絶対連続でありスペクトル表示を得ることができた。また、2次元有界領域の境界が滑らかな場合、NP作用素はコンパクトになり、有限多重度の固有値が原点に収束するが、その収束の速さと領域境界の滑らかさとの関係を示す評価を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初は「角が2つ」あるintersecting diskと呼ばれる有界平面領域を摂動したNP作用素を解析する予定であったが、「角が1つ」の場合(cardioid、lemniscate)の方がNP作用素のスペクトル表現が簡単なので、今後は「角が1つ」の場合の有界平面領域に対してNP作用素のスペクトル解析を行い、散乱理論を展開して散乱行列を求めることにする。また、NP作用素の散乱行列の性質とanomalous localized resonanceとの関係を考察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、研究発表、研究関連の情報資料の収集・整理に必要なノートPCの購入を予定していたが、既存のものを使い続けたため、ノートPCの購入に科研費の支出が生じなかった。また、人件費およびその他の支出がなかったため、次年度使用額が生じた。今年度は、既存のノートPCの諸元を鑑みて、ノートPCの買い替えに科研費を当てる。
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