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2019 年度 実施状況報告書

対称空間上のシュレディンガー方程式の幾何解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K05328
研究機関筑波大学

研究代表者

筧 知之  筑波大学, 数理物質系, 教授 (70231248)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードシュレディンガー方程式 / 対称空間 / 合成積作用素 / 平均値作用素
研究実績の概要

2019年度は対称空間上の平均値作用素および関連する課題を研究し、以下の成果を得た。尚、以下はJ. Chistensen氏、F. Gonzalez氏, J. Wang氏との共同研究である。(1)非コンパクト対称空間上の合成積作用素の全射であることと対応するコンパクト台を持つ超関数のフーリエ・ラプラス変換が緩減少性を満たすことが同値であることを証明した。ユークリッド空間上の合成積作用素については1960年代にEhrenpreisによる先行研究があるが、対称空間上の合成積作用素については、調和解析への応用上重要であるにも関わらず、今まで系統的な研究は存在しなかった。この成果については、既に「Surjectivity of Convolution Operators on Noncompact Symmetric Spaces 」という題目の論文(F. Gonzalez氏, J. Wang氏との共著)をまとめ、現在投稿中である。(math arXiv:2005.04113 参照)(2)非コンパクト対称空間上の平均値作用素の全射性についての研究。Chistensen氏、Gonzalez氏,との先行研究を部分的に進展させた結果をアメリカ、タフツ大学で2019年8月5日~9日に開催された国際研究集会「Conference on Modern Challenges in Imaging」で発表した。(3)対称空間上の波動方程式の解の決定問題の研究。幾つかの時刻 t=T_1,T_2, ,,,,T_mにおいて滑らかな関数のデータを与え、それらを満たす波動方程式の解を決定できるか?という問題を考察した。これは、上記(1)の結果の応用である。また、シュレディンガー方程式への応用についても研究中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

論文を1本まとめ上げることができたという点では、ある程度の成果はあった。また、関連する課題で、十分な進展があった。しかし、3年目の途中から、大学における様々な業務のため、研究成果の発表や共同研究、論文執筆が滞りがちになり、また、コロナウィルス感染症の問題のため、予定していた研究集会の開催、および、国際研究集会での研究発表を断念せざるを得なかった。これらの点では当初の計画通りに進んでいない。

今後の研究の推進方策

上記で述べた理由により、研究計画を1年延長することとなった。本研究は、海外の研究者との共同研究が核となっているが、現在、コロナウィルス感染症の問題のため外国出張が実質的に不可能な状況にある。そこで、オンラインでの共同研究が可能なコンピューターおよび周辺機器を購入し、オンラインでの共同研究により、事態の打開を図る予定である。

次年度使用額が生じた理由

2019年度の途中より予期せぬ大学の業務(人事および制度改革に伴う業務)により、研究活動の時間を著しく制限されることになった。更に、2020年2月、3月においては、コロナウィルス感染症の問題のため、海外も含めてほとんどの研究集会は中止となった。これらにより、当初予定していた国内出張、外国出張、および、研究集会開催、を断念せざるを得なくなった。そのため、次年度使用額として繰り越すこととなった。尚、2020年度の使用計画については、当初の予定に従い、外国出張、国内出張、による研究成果の発表、および、研究集会の開催を行うかどうか、コロナウィルス感染症が終息するかどうかを慎重に見極めて判断したい。また、必要に応じて、オンラインによる共同研究、オンラインによるセミナー、研究集会への参加、を検討する。そして、そのような研究活動を円滑に行うために、最新のPCおよび周辺機器を購入する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)

  • [学会発表] Mean Value Operators on Non-compact Symmetric Spaces2019

    • 著者名/発表者名
      Tomoyuki Kakehi
    • 学会等名
      Modern Challenges in Imaging
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Snapshot problem for wave equations2019

    • 著者名/発表者名
      筧 知之
    • 学会等名
      2019 夏の作用素論シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] Mean Value Operators on Euclidean spaces and Noncompact Symmetric spaces2019

    • 著者名/発表者名
      筧 知之
    • 学会等名
      RIMS共同研究 幾何構造がもたらすスペクトル解析における新展開
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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