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2022 年度 実績報告書

非線形拡散反応系における漸近展開法の開発とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 17K05334
研究機関明治大学

研究代表者

辻川 亨  明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (10258288)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード反応拡散方程式 / 分岐解 / 完全楕円積分 / 特異摂動解
研究実績の概要

金属の融解現象を記述するモデルとして、2変数反応拡散方程式であるPhase-Field方程式がFixやCaginalpにより提唱されている。Neuman境界条件の下では、この方程式の定常問題は積分制約条件付きのスカラー方程式となる。この方程式の解の存在を議論した。 Kuto and Tsujikawa (2013)の結果を適応することによりエンタルピーが零の場合の除いて定常解の分岐構造が得られる。定数解から分岐したものが定数解に、または特異解に接続するなどを示した。しかしエンタルピーが零の場合は定数解がからの1次分岐(対称解の出現)、および対称解からの2次分岐(非対称解の出現)現象が起こることを示すことができない。そこで完全楕円積分により、すべての解がパラメータ表示できることを用いて分岐解の枝がパラメーター空間の中のグラフとなることを示した。また、Suzuki ans Tasaki (2009)の結果を補完して、定数解からの分岐の方向をすべて決定した。定常解の安定性に関してはエンタルピーが零の場合の定数解からの1次分岐である対称解について議論した。すなわち、定数解から分岐した直後の対称解は不安定であるが2次分岐点を境に安定となる。Suzuki ans Tasaki (2009)の結果から、ある種の線形化固有値問題を扱えば十分であることがわかる。固有値はすべて実となるので、第一固有値のみが正から負になり、その他の固有値はすべて負となることを示した。対称な定常解が完全楕円積分で表示できることから、具体的に固有関数の形状がわかることが証明の本質的である。同様に2次分岐の方向も議論することができる。
Phase-Fieldモデルの解構造はこれまで扱ってきた、非局所Allen-Cahn方程式や細胞極性モデル方程式の構造よりも複雑である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Secondary bifurcation and direction of bifurcation of stationary solutions to a phase field model2022

    • 著者名/発表者名
      森竜樹
    • 学会等名
      日本数学会秋季総合分科会

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公開日: 2023-12-25  

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