定数係数の消散項のある線形波動方程式の解は対応する放物型方程式の解に漸近することが知られ,拡散現象と呼ばれている.変数係数の時には,消散項の係数の減衰度に応じて漸近挙動が異なる. 本研究では,定数係数で消散項が周波数の分数巾に依存する構造的消散項を持つ半線形消散型波動方程式および主部及び消散項が時間に依存する係数を持つ抽象線形波動方程式について拡散現象を示した.一方 時間減衰が速い消散項をもつKirchhoff型準線形波動方程式に対する波動作用及び散乱作用素の連続性を示し,特に消散項の係数が単調減少のときには、漸近自由となるための必要十分条件を得た。
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