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2019 年度 実施状況報告書

モデル理論におけるShelah予想とその解決に向けた研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K05342
研究機関筑波大学

研究代表者

坪井 明人  筑波大学, 数理物質系, 教授 (30180045)

研究分担者 塩谷 真弘  筑波大学, 数理物質系, 准教授 (30251028)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードモデル理論 / 数理論理学 / 無限組み合わせ
研究実績の概要

モデル理論はいわゆる数学的構造に対して,その個々の特殊性を超えた観点から一般論を提供する枠組みであり,数理論理学の中の一つの学問領域を形成している.その議論の中心となる道具立てがコンパクト性定理であり,無限構造の解析においては必須のものとなっている.
一方で有限モデル理論という分野がある.計算機科学,情報数学などの応用分野とかかわり合いの多い分野であり,その興味の対象は有限構造である.有限構造の範囲では上記のコンパクト性は成立しない.したがって,コンパクト性は有限モデル理論においては,意味のない手法であるというのが多くの研究者の共通理解であった.
しかし,本研究においては,有限構造に対する表現可能性に関して,EMSO (existential monadic second order)によって如何なる性質が表現可能であるか,また表現可能でないか,という問題の研究をコンパクト性定理を本質的に用いて遂行した.
その結果として,この分野(有限モデル理論)に対して新しい手法を提供できただけでなく,すでにある結果の拡張も同時に与えることができた.例えば次のグラフに関する結果を与えることができたが,それはFaginの結果の拡張にもなっている:
結果:T を(グラフ言語でかかれた)1階論理式の有限集合とする.各自然数 n に対して,直径が n 以上のacyclicな有限グラフで T を満たすものがあったとする.このとき,Tを満たす acyclic 有限グラフの全体をEMSOで表現することはできない.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究成果自体はかなりの結果が蓄積されており,進捗は概ね本来の目標通りになっている.しかしながら,それらを研究集会等で発表を行い,議論をして批判を受け,さらに発展させる必要がある.この点に関しては,COVID19の影響もあり,なかなか進んでいない状況にある.

今後の研究の推進方策

出張や研究集会等を通じての成果発表とそれを通じての成果をより発展させることができない状況が続くことを考え,オンラインによる研究連絡を充実させる.またそのための機器の整備などを行い,研究活動を安定的に発展させる.

次年度使用額が生じた理由

年度後半から年度末にかけて,研究成果を発表する研究集会を開催予定であったが,COVID 19による影響により,開催を自粛したため.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Non-expressibility of a class of finite graphs2019

    • 著者名/発表者名
      坪井 明人 (Tsuboi,Akito )
    • 雑誌名

      RIMS Kokyuroku

      巻: No.2119 ページ: 9 -- 12

    • オープンアクセス
  • [学会発表] A remark on Ehrenfeucht theories2019

    • 著者名/発表者名
      坪井明人
    • 学会等名
      日本数学会秋季総合分科会 (金沢大学 9月19日)
  • [学会発表] Compactness argument for finite structures2019

    • 著者名/発表者名
      坪井明人
    • 学会等名
      研究集会「Model Theory Summer School 2019」(東海大学 山中湖)
  • [学会発表] On the number of independent strict orders2019

    • 著者名/発表者名
      Akito Tsuboi
    • 学会等名
      Model Theory Workshop at RIMS (京都大学数理解析研究所 12月3日)

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公開日: 2021-01-27  

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