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2022 年度 実績報告書

モデル理論におけるShelah予想とその解決に向けた研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K05342
研究機関筑波大学

研究代表者

坪井 明人  筑波大学, 数理物質系(名誉教授), 名誉教授 (30180045)

研究分担者 塩谷 真弘  筑波大学, 数理物質系, 准教授 (30251028)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワードモデル理論 / 有限数学 / 数理論理学
研究実績の概要

モデル理論的に考察を行う場合に,「グラフ」とは,2変数述語記号Rに対するR構造であり,Rが非反射性と対称性という二つの性質を持ったものだと考える.関係Rが成立する2点間には辺が存在すると考える.ランダムグラフは可算範疇的な可算無限グラフであり,すべての有限グラフを非常に強い意味で埋め込むという性質を有する.その無限構造自体が数学的に興味深い対象であるが,埋め込み可能性から,有限グラフとの対比として研究されることも多い.
ランダムグラフの彩色問題と安定性との関連性について研究を行った.一番簡単な彩色は辺に対するものである.グラフの辺が有限個の色の種類によって彩色されている場合に,その中に存在するある種の部分グラフHで,単色に色彩されているものがあるかどうかは,グラフ理論の分野では重要な研究対象になっている.ランダムグラフGの場合に,Gと同型な部分グラフHで単色にされたものがあるか否かについては,実は否定的な例が存在する.
そこで,そのような単色部分ランダムグラフが存在する(あるいは存在しない)ための条件は,モデル理論的には一体何であるかということは大変興味深い問題となる.我々は,単色グラフが存在しない彩色は,モデル論的非安定性をある意味で増加させることを示した.構造Mのモデル論的な非安定性とは,Mの中に弱い意味で順序構造が定義されることをいう.非安定性は,ある種の普遍量によりその強さを測ることができるが,それが増加するという形で結果を得ている.この場合の普遍量はκ_srdと呼ばれるShelahによるものであるが,この量の大きさに関する一般論の研究も研究期間中には行っている.
今後は,その条件を彩色に対する拡張された言語で考えたGの理論Tの条件として特徴づける方向で研究を継続する.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Some results related to Keisler-Shelah isomorphism theorem2022

    • 著者名/発表者名
      Akito Tsuboi
    • 雑誌名

      RIMS Kokyuroku

      巻: 2218 ページ: 35--39

  • [学会発表] Ramsey’s theorem and coheir sequences2023

    • 著者名/発表者名
      坪井明人
    • 学会等名
      日本数学会年会
  • [学会発表] Some comments on the difference between forking and dividing2022

    • 著者名/発表者名
      坪井明人
    • 学会等名
      日本数学会秋季総合分科会
  • [学会発表] Colored Random Graphs and the Order Property2022

    • 著者名/発表者名
      Akito Tsuboi
    • 学会等名
      Model theoretic aspects of the notion of independence and dimension, RIMS Model Theory Workshop 2022
  • [学会発表] First course of model theory2022

    • 著者名/発表者名
      坪井明人
    • 学会等名
      数学基礎論サマースクール

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公開日: 2023-12-25  

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