研究実績の概要 |
本研究は昨年度が当初最終年度となる予定であったが、新型コロナウィルスの影響により補助事業期間を延長する必要が生じ、本年度はその延長分の研究を行った。以下、研究成果について述べる。 グラフGにおいて、マッチングMを含むようなGの完全マッチングが存在する時、Mは(Gにおいて)拡張的であるという。いま、M={e_1, ... , e_m}とし、e_iとその両端点からなるグラフ(K_2と同型)をH_iとすると、MがGにおいて拡張的であることとGからH_1, H_2, ... , H_mを取り除いたグラフが完全マッチングを持つことは同値である。したがって、後者の命題において各H_iをK_2と同型なものに限らず、一般のグラフとすることで、マッチング拡張性の研究を一般化することができる。本年度は昨年度に引き続き、この方針での「既存のマッチング拡張性の研究の一般化」に取り組んだ。その結果、5-連結平面グラフのマッチング拡張性に関するAldred-Plummer-河原林の定理の短い証明を与えることとともに、その定理を上記の方針で一般化することに成功した。
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