研究実績の概要 |
(1) Cp(X)を各点収束位相をもつTychonoff空間X上の関数空間とする。Scheepers予想は関数空間Cp(X)の位相的性質と深く関係しているため, Rojas-Hernandezの提出した問題「(2014) Suppose that X is a monotonically retractable realcompact space. Must X be Lindelof?」を解決することを試み, この問題には反例があることを示した。反例の構成には, 新しいmonotonically retractable空間の構成法が使われた。この問題の動機は以下の通りである。Sokolov (1986)は K がCorson compactであるとき, Cp,n(X)はLindelofになっていることを示した。Tkachuk (2005) はSokolov空間の概念を導入し, より広いSokolov空間でも同じ結果が成り立つことを示し, 「Sokolovなrealcompact空間はLindelofか?」という問題を提出した。Rojas-HernandezはD-propertyの研究からmonotonically retractable空間の概念を導入し, この概念はSokolov空間の概念より強いことを示した。Tkachukの問題から, 自然にRojas-Hernandezは先に述べた問題を提出した。
(2) Scheepers予想は位相空間の被覆の性質に関する予想であるため, 点可算開被覆と写像に関するいくつかの問題を解決することを試み, いくつかの問題に対して解を得た。例として, Lin (2015) の問題「σ-compact-finite sn-networkはsequence-covering closed写像で保存されるか?」という問題に対して反例を構成した。
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