確率最適制御理論における逆問題について,提案した枠組みにおいて,適切性が成り立つための十分条件を明らかにした. また数値解法についても検討し,いくつかの具体的な問題に対して,処罰パラメーターが高い精度で再現されることを数値的に確認した. 部分観測確率制御問題の数値解析について,拡散過程に対する部分観測問題を特徴付けるZakai方程式に対するカーネル選点法の収束の議論を基に,元の問題を通常の有限次元完全観測確率制御問題により近似し,その誤差評価を与えた.これはすなわち,部分観測確率制御問題に対応する無限次元ハミルトン・ヤコビ・ベルマン方程式を有限次元のそれで近似する手法を与えることを意味する.
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