決定論的力学系のダイナミクスは、周期軌道、準周期軌道、カオス軌道の3種類に分類されると考えられる。準周期軌道とは無理数回転と共役なふるまいであり、特に保存力学系における準周期軌道の重要性は良く知られていた。準周期軌道は回転数(無理数回転)、リアプノフ指数(ゼロリアプノフ指数)などを用いて特徴づけられるが、これらの量は準周期軌道上バーコフ平均として計算できる。本研究では準周期軌道上で定義される関数に対するバーコフ平均に関して、研究代表者らは、従来手法の1000倍程度以上(4倍精度の場合)の高速化を実現する重み付きバーコフ平均を提案してその有用性を複数の例で確認するとともに各種性質を明らかにした。
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