研究課題
多面体において,辺をヒンジとして環状を成すようにつないだ構造はフレームワークと呼ばれる幾何学的な対象である。この構造は環状分子の数理モデルとして見ると,動きの制約を受けて固定されている分子の一部分を固まりとして捉えた構造を表現していると考えることができる。そのような構造を調べるとっかかりととして8個の立方体をつないでリング状にしたキューブ・リングを考える。これはつなぎ目で折ることによりその形を変える。キューブ・リングの代表的な例にはInfinity cube(無限展開キューブ)やConway cube がある。キューブ・リングが立方体の形状に配置されたものを2×2×2スタックと呼ぶ。Conway が出した問題に関連して,変形を一直線状に並んだヒンジを軸として,その軸でだけ折るという折り変形に制限した場合に,2×2×2 スタック間の変形について調べて,ダイアグラムというグラフを用いて表現する。このとき,「Infinity cube(無限展開キューブ)であることと,ダイアグラムが単一のループ状になることは必要十分である」という特徴付けることができた。しぼりをもつ立体折り紙構造をしぼりでつないでリング状の構造が得られるかどうかを調べた。角の数が偶数である球面多角形から成る球面タイル貼りから,しぼりをもつ立体折り紙である球形曲線折り紙が得られることを示した.実際に,二つの例において,球面タイル貼りから,球形曲線折り紙を作成した。特に,そのうちの一つではしぼりでリング状につなげることが可能となっている。
すべて 2022 2021
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Scientific and Educational Reports of the Faculty of Science and Technology, Kochi University
巻: 5 ページ: -
巻: 4 ページ: -