非一様トーラスからのX線スペクトルモデル XCLUMPY を開発し(Tanimoto et al.)、それらを近傍1 型活動銀河核(AGN)2天体の広域X線スペクトルに当てはめ、それらのトーラスにおけるガス・ダスト比が、銀河系星間物質のそれよりも小さいという示唆を得た(Ogawa et at.)。また、「あかり」深探査領域で見つかった遠方の埋もれたAGNにも適用した(Miyaji et al.)。 Swift/BAT硬X線全天サーベイで見つかったAGNの中間赤外輝線[O IV]26μmと中心核の12μmの光度比を調査し、X線スペクトルとの比較から、それがトーラスに深く埋もれたAGNの同定に有効なパラメータであることを示した。それを近傍の超高光度赤外線銀河に応用し、合体の段階が進むにつれて、埋もれたAGNの割合が増えていくことを発見した(Yamada et al.)。 多波長深探査領域においてブラックホール質量の測定されている赤方偏移0.6-1.7のAGNの静止系可視スペクトルの狭輝線比を系統的に調べ、それがエディントン比と逆相関することを発見した(Oh et al.)。 WISEによって見つかった塵に埋もれた銀河(Dust-obscured Galaxy)をNuSTAR 衛星によって追求観測し、そのX線スペクトルがコンプトン厚の吸収を受けていることを発見した(Toba et al. 2020)。
|